なんていうかゲーム業界について

Tomoです。
Ularaの記事が思いの外バズって、サーバ代をケチりまくってたった一台のg1-small(一月借りて1,500円とかのあなたの持っているスマホ以下のサーバ)のさらに一部のCPUやメモリしかこのブログに割当ててないので若干不安です笑 ただのブログのくせにロード遅いなって感じだったらコメントを下さい……。なんとかします。

背景

せっかくなのでこのタイミングで僕とゲーム業界の関係についても書きます。
僕は元々コンピュータサイエンスを修士まで専攻していました。修士の間はチームラボと推薦エンジンの共同研究をさせていただいたりしました。
その後は外資系の金融に新卒で入社し、株や債券のエンジニアになって、そこでテクニカルなスキルの他、英語や金融、関連市場や法律などを勉強させていただきました(ちなみにJavaがメインでした)。さらにその後、ゲーム業界に入ったのは全くの偶然で、懇意にしていただいていたヘッドハンターの方と、「Tomo, 熱いゲーム会社が募集している。このポジションは君にフィットすると思うよ!」「えっゲームあんまわかんないけど大丈夫ですかねwww」「ノープロブレム!」みたいな会話をし、応募し、面接を受け、課題を提出したら入ってみなさいって感じだったので入った感じです。金融に入った時も、ゲームに入った時も、「この業界のエンジニアってチャレンジングかも!」っていうのと、英語で仕事ができるっていうのと、正直高い給料が動機で入社したので、その業界に対して猛烈な気持ちがあったというわけではありませんでした。そんな感じで入ったところがこれまた偶然、Ularaが立ち上げたスタジオでした。

そのときの印象

僕がゲームを熱心にプレイしていたのは幼稚園から高校前半ぐらいまででした。ファミコンから始まってPS2ぐらいまでですね。マリオで言うと3からゲームキューブ版ぐらいで、FFで言うと3から10ぐらいです。モバイルのゲームは今だから言えますが、面接を受けるときまで一つもやってませんでした。某ソーシャルゲームのプラットフォーム上のゲームを作るポジションに応募したのに、そのプラットフォームのアカウントすら持っていなくて、慌てて作った感じでしたw
そんな僕が入社して最初にアサインされたプロジェクトは、某有名スポーツゲームのソシャゲで、いやー正直びっくりしましたね。面白くなくて。そのスポーツのファンではなかったというのもあったんですけど、ゲームってこういうのだったっけ? ってなってしまったんですよね。面白いの意味が変わっていたように感じました。ただ単純にこの瞬間このゲームしてて楽しい! ではなく、簡単なアクションで簡単に得られる達成感とか、射幸心を煽りまくる説明文章を読み(じゃぶじゃぶ)ガチャに課金することで満たされる優越感とか、そういうものに変わっていたような、そんな感覚でした。そんなちょっとソシャゲに対して冷めていた僕が感じていたのは、この時代がどうして生まれたのかということと、この先どうなっていくのかということでした。

あの時代がどうして生まれたか

簡単に言えば、その時一番儲かるシステムだったから。みんなちょっとリッチなガラケーかしょぼいスマホを持っていて、ネットするだけにはちょっと飽きていた。でもその携帯はリッチな2D/3Dのゲームを描くには不十分なデバイスだった。mixiからのFB, Twitterなどを通して、オンラインで友達と無料で交流することが普通になったため、そういったソーシャルなプラットフォームで、その延長上として無料ではじめられるF2Pが主流になった。その流れに一番うまく乗ったのが、GREEとモバゲーでしたね。
ただ、ここでユーザーがちょっと勘違いしていたかもしれないのは、あの流れのすべてをユーザーが作ったのではないということ。流れの一部はあくまで、そのスタイルが企業の利益を最大化すると思ったから、ユーザー一人あたりの支払額(ARPU)が最大化すると思ったから企業が進めたのだということ。昔ながらのゲームショップやオンラインショップでコンソールのゲームを売って少しずつ先細っていくより、Web/モバイルの方が楽に儲かるんじゃね、と企業が感じたから起こったということ。誰だってあんな流れを非営利団体じゃあるまいし、本当に無料で提供していたわけじゃない。

その先どうなっていくと思ったか

一方で、この時代は長くは続かない、と思っていました。だってあれはゲームじゃない。少なくとも、僕が知っている楽しいゲームではなかった。ゲームが楽しくないというのはつまり不健康で、いずれモバイルのスペックがあがり、リッチな2Dないしは3Dのゲームが動作するようになれば、本質的に面白いゲームが次に流行り、健康な状態に戻っていくのは当然の流れだったと思っていました。

さて

多かれ少なかれ、その時代が来ました。今上位にいるモバイルゲームの多くを僕は面白いと思っています。その背後に、Ularaが書いた通り、ブラウザソシャゲバブルで大量に人を採用した企業の従業員が痛い目を見ていて、昔金融にもいた身としては、ちょっと考えればそこに上場を許して短中期的にどうなるか本当に分かんなかったのかなあと思います。

働いている人はどうすればいいのか

日々の仕事に追われず、好きなことをしているかということと、この後世の中がどうなっていくのかを考える。それを考えた上で、自分が会社の外に出ても有用な人材であり続けるスキルを身につける、だと思います。あなたのやっていることはその会社の外でも役に立ちますか。その業界の外でも役に立ちますか。東京で、日本で、または世界で何人ぐらいの需要がある仕事ですか。2年後でも(勿論日々努力を続けてスキルを研鑽した上で)求められるものですか。もし先細ってきた場合、どのようなシフトが考えられますか。そんなことを考えながら、何をするのか、何を勉強するのか決めてみたらいいんじゃないかなあ。
僕はソフトウェアエンジニアなので少し具体的にエンジニアの話をすると、基本的にどの業界に行こうがやっていける職種だと思いますが、ゲーム業界って割と特殊なんですよね。Ularaも書いていますが、ゲーム業界に拘るのかどうかは、よく考えたほうがいいなと思います。問題設定が特殊なので、解も特殊になってしまう。UnityやCocos2d-xなどのバッテリー持続時間を比較的軽視したクロスプラットフォームで動作するフレームワークを用いて2D/3D演算と描画をガリガリやったりする。レイドバトルだ! っつって、それ以上でもそれ以下でもなくピッタリ5人のグループを大量に、そして正確に作って対戦させる。早々ないでしょその問題設定。極めていくと一部の界隈では神扱いかもしれませんが、ちょっと外に出ると役に立たなかったりする。好きで、得意で、かつ今後も需要があるものならそれが一番なのですが、そうでもない場合は危険ですよね。取らなきゃいけないリスクややりたくなくてもやらなくちゃいけない仕事もありますが、そうでないものもたくさんあります。苦行、ダメゼッタイ。


追記

読み返したらネガティブに締めてしまったので、ゲーム業界嫌いみたいな感じで、それは違うので補足します。面白いゲーム好きだし、面白いゲームを作ってる人たち好きです。僕も作ってる時は、嫌なこともあったけど、楽しいこともいっぱいありました。
ゲーム業界楽しいっていう人は大きく分けて二種類います。
一つはゲーム大好きで、作るのも大好き!!! って人。ゲーム作るのに人生かけてる人。もう履歴書ゲーム会社しかない。僕はこのタイプではなかったけれど、こういう人たちは凄い。面白いの作って欲しいし、出たら是非やってみたい。デバイスがリッチになった今、ガンガンそのパッションを具現化しちゃってほしい。
もう一つは、ゲームに拘っているわけではないけれど、その過程を楽しんじゃえる人。僕がこのパターンでした。例えば上に挙げてるレイドバトル、ちょっとイケてるバックエンドエンジニアの人はウズウズしたかもしれません。「同時接続100万人ぐらいからきついよね」「ボトルネックはスケールが難しいこのDBになるからここをちょっとズルしてさ、こうすれば良くね?」「いやいやお前遅れてんな、ここはこのDB使えばもうスケール出来るだろ」「そもそもここで分散したらどうなの」「でもそれだと絶対に一部のユーザーがマッチングされなくなっちゃってつまんなくなっちゃうよ」「いやでも遅いよりいいよ」「いやいや」 ってね。それを考えるの楽しいですよ。幸せについて本気出して考えてみて、それでもゲームだ! ってなる人は、もちろんゲーム作って欲しいです。