プログレッシブウェブと時代の加速について

Tomoです。2015年も終わりに近づいてきたので、最近思っていることを書きます。
プログレッシブウェブと、時代の加速について。
主にエンジニアさん向けの記事ではありますが、なんとなーくなら読める人はそこそこいるんじゃないかと思います。

プログレッシブウェブについて

Progressive(形)… 進歩的な, 漸進的な
要はすごくなった版的なね。
ウェブがね、最近すごいんですよ。Service Workerっていう仕組みがあるんですけど、ウェブサイトにそれを取り入れると、そのサイトを開いていないときでも、背後でそれについて処理をさせることができるんですね。
具体的には、

  • プッシュ通知を送る
  • 高速に、さくさく動作させる
  • オフラインで動作させる

みたいなことができるんです。まるで何かみたい、って思いますよね。アプリみたいなんですよ。
今年のはじめの時点ではまだ一部のギークっぽい人しか知らなかったようなものだったんですけど、もう実際のサイトに導入され始めた。
FlipkartっていうインドのECサイトが既にそれを大分取り入れていて、
スマホでChromeで開いてみるとわかる(Safariじゃ駄目な理由などは後述)んですけど、さくさく動くし、商品が入荷されたらプッシュ通知を送ることもできるし、これは前からだけど、アプリみたいにホーム画面にページを追加することもできる。

日本でも、SUUMOとかが頑張っているらしく、トップページのロードが以前より4倍速くなったとのことだし、Facebookももう対応している。

時代の加速について

はえーわ流れ、っていうのが第一の感想。
2, 3年ぐらい前からみんなアプリ作り始めたじゃないですか。iOSとAndroidのアプリエンジニア・デザイナーの需要が急増。勿論もうちょっと前からAndroidもiOSもあったけど、爆発したのはこの辺だと思う。
AppleもGoogleももう過去最高利益とか当たり前のように出しちゃってた。
でもこれ、不健康なんですよね。最高の世の中を目指していたら、常にその売上の30%を取りあげているプラットフォームに富が集中していたという。

その不健康さを良しとしなかったGoogle, Samsungなどの一部の企業と、
Webを愛して止まない数多のWebエンジニア達が、次のパラダイムシフトを喚起するまでにかかった時間は、とても短かった。
まだみんながWebでポチポチソーシャルゲームやってた頃から4年とかなんですよね。その間にもう複数回のシフトが起きてる。

僕は心から、世の中がアプリ全盛期だったときも、HTMLとCSSとJavaScriptを勉強し、進化させ続けていったWebエンジニアのコミュニティをリスペクトしている。
JavaScriptなどという、人間が書くものというよりはブラウザが読むものだった言語を、「あ、書けるわ」というレベルの言語に昇華させ、
開発環境やビルド環境を快適にしていった、
より良いアーキテクチャを目指し、MVC, MVVM, MVWと様々な形のフレームワークを作り、試し、素早く取捨選択していった、
このコミュニティをリスペクトしている。
そして、彼らを後押しした、ブラウザベンダーやスマホベンダーをリスペクトしている。

来年は、きっとWebが盛り返していくだろう。
しかしまたその背後では、さらに健康的な世の中を目指して、別なコミュニティが何か新しいプラットフォームを用意しているのだろうな。それはまた新しいOSなのかもしれないし、新しいプロトコルなのかもしれない。
来年はService Workerをサービスに実装しつつ、何を学ぼうか。
Webエンジニアのみなさんは、Webを学び続けつつ、他のこともはじめますか?
アプリエンジニアのみなさんは、どうしますか?
2016年の年末には、どんな健康な世界が、誰かの頭の中に描かれているのでしょうか?

Merry Christmas & Happy New Year. みなさま良いお年を。

参考サイト

Google for Mobile – Google for Mobile Tokyo スマートフォン体験を一歩先へ – プログレッシブウェブの作り方 by @renoiv on @Qiita

余談 SafariでService Workerが動かないことと不健康を良しとするコミュニティについて

Appleは面白い企業だ。昔は一部のコアなファンがiMacとかを持っていて、
その後iPodという革新的な音楽デバイスで一気に大衆の心を掴んで、
iPhoneとiOSという(価格を除いて)万人受けのプラットフォームでさらにその信仰を盤石なものとした。

Appleはとても優れた企業だ。しかし世の中を健康にすることには、必ずしも賛同していない、と僕は思う。
彼らは彼らの美を追求し、彼らの利益を追求する。
彼らは、iPhoneユーザーを、iOSエンジニアを、iOSアプリを一人でも、一つでも多く増やしたい。

SafariではService Workerは動かない。2016年もおそらく、Safariではウェブサイトはアプリよりも鈍重に動作するだろうし、プッシュ通知も送信してこないだろう。
その一番大きな理由は、Service WorkerをAppleが実装しないからだ。それはAppleにとってWebの再台頭は、少なくとも短期的には不利に働くからではないかと、僕は思う。アプリからの売上が減ってしまうから。

皮肉なもので、Webをここまで盛り上げたのは、MacBookとRuby On Railsというコンボだ。
WebエンジニアはみんなMacBookを使っている。だから新しく登場する便利なツールは、まずMacでリリースされる。
僕は個人的にはWindowsも大好きだが、ことWebの開発に関しては、MacBookを手放すのはまだ難しいな、と思う。
世の中を健康にしようとする流れに、世界一の時価総額を誇る大企業がどう対応していくのか、
Googleを愛する僕は来年もAndroidとChromeを使いながら見守ろうと思う。

カテゴリー: TECH