#2 ”トップを取るのが大前提” 夢への真摯なマインドがもたらすプロへの切符

 

 

AVAをやめ、Overwatch一本に。プロゲーマーを目指す決意

 

ーーーRagunaさんの根底には、常にゲームがあったわけですね…その後はどういう生活をなさっていたんですか?

Raguna それからは、生活費を賄える程度にバイトをして、AVA三昧の日々でした。
でも、ここでぼくにとって大きな転機を迎えたんです。
この頃丁度新たに”Overwatch”というゲームのリリースがあったんです。
調べてみたらとても惹かれるものがあって。
そしてぼくは、今までずっと続けてきたAVAか、新しくリリースされたOverwatchのどっちをやるかの決断を迫られました。

 

ーーー両方とも継続するという選択肢はなかったのですか?

Raguna 全くなかったですね。
ぼくはそもそもトップを取る前提でゲームをやっています。
そして、よっぽどの天才じゃない限り2つのゲームで同時にトップを取るなんて不可能なんです。
ということは、片方に絞るしかない。
ゲームの将来性を考えて、結果的にOverwatchを選びました。
その後はもうきっぱりとAVAをやめました。
「Overwatch」のリリースから、半年以上一度もAVAを開かなかったくらいです。

 

 

評価に絶対はない、だからこそ誰からも認められるほどの実力を

 

ーーー好きで好きで仕方ないものをきっぱり辞めることができるのはとても凄いと思います。
そこまでして始めたOverwatchにはさぞ深い思い入れがあると思うのですが、やめたいと思ったことはありました?

Raguna つらいと思ったことは、もう数え切れないほどありますね。
特にどんぞこだと思ったのは、大会まで死に物狂いで練習したのに、大会の出場メンバーに入り込めなかったときです。
どんなに頑張っていたとしても、見ていることしか出来ないのは相当しんどかったです。
評価ってあくまで個々の主観で、具体的な数値が出ないんですよね。
だから、どんなに出場メンバーの誰かより自分のほうが上手くやれるって思っていても、ベンチ入りすることもあります。
その人たちに何も言わせないほどの実力がないことも、もどかしい、つらいって思いましたね。

他には、一時期海外のチームとばかり練習していて、海外のメタの先取りをすることができた時があってですね。
そのおかげで一定期間国内では負け無しの状態が続いたんです。
でも1〜2ヶ月経った後、今まで勝てていた相手に勝てなくなっていったんです。
他のチームがメタに追いついたんですね。
その結果、今までなら圧倒できていたチームに連続で負け始めて。
努力はしているはずなのに、差を詰められてひっくり返されることが続いて…
それが原因で更に空気が悪くなっていってっていうときが本当に辛かったです。

 

ーーー確かに努力が成果につながらないというのはもどかしいですよね。どうやってそのどんぞこから復活したんですか?

Raguna うーん、もはや根性以外の何物でもないです(笑)
確かにどん底で、苦しくて、やめたくはなるんですけど、本気で辞めたいわけじゃないというか。
やめた自分の想像がつかないんですよね。
生きるのが辛い、って思っても呼吸をやめないのと一緒で、Overwatchはぼくにとってあるのが当たり前で、なくては成立しないから。
やめたくたってやめられないから今があるんだと思います。
Overwatchはぼくの生きる理由と言っても過言ではなくて。
だからOverwatchを理由に、大阪から上京するという決断もしました。
本格的にプロチームを目指そうと思ったんです。

 

ーーーらぐなさんにとってOverwatchは必要不可欠なんですね。
何故東京に行こうと思ったんですか?

Raguna 本格的にプロチームを目指すためには必要だと思ったんです。
どうして東京のほうが良いかと思ったかというと、1つめに、純粋にゲームイベントが東京の方が多い。
2つめに、東京在住の方がプロになるにあたって有利なこと。
全く同じ能力の人間が東京と大阪にいたとして、どっちをとるかと言われたら東京なんです。
大会の交通費の面でも、身軽さという点でも、微力ながら強いんですね。
そういう理由で6月に上京しました。
そして7月にプロに応募し、8月にはテストを受け、9月には正式にプロチームに入団しました。
やったー!

 

 

Overwatchは死ぬまでやめられない!!

 

ーーーやったー!まさにトントン拍子ですね!
では、プロゲーマになってなにか変わったことはありましたか?
…ぶっちゃけ稼げました?

Raguna 給与形態は月給なのですが、実は生活できるレベルの額を貰えるわけではなく、バイトをして生活を賄っていました。
一定の練習時間を設けることは課せられましたが、もともとの練習時間とさほど変わりはなかったので、プロになる前と後で、生活にそんなに変化はなかったですね。
唯一変わったことといえば、Twitterをあまり触らなくなったことですかね。
フリーの頃は割とツイ廃気味だったんですけど、その時のノリで自由につぶやきすぎて結構怒られちゃってました。
最終的に、プロとしてはアジア2位という結果を残せましたが、色々あってプロチームを脱退することが決まりました。

 

ーーーそれでは、やはり脱退の際には筆舌につくしがたいものがあったのでは?

Raguna そうですね。
未練はもちろんありました。

プロの肩書きにというよりは、主にチームに対してでしたが。
プロ入り試験の前から、毎日欠かさず一緒にゲームをして毎日議論を酌み交わしてきたメンバーだったので。
同じ夢を共にしたメンバーと、チームでOverwatchを遊ぶことは二度とないのかと思うと、やるせない気持ちでした。
プロになったからといって特別、何かを学んだとは思わないけど、ぼくにはまだまだ足りないところがあるって痛感させられましたね。

例えば、チームの課題を話すにも、試合に負けたときの反省会をするにも、お互いを尊重することってすごく大事で。
そういう意味で、ぼくの動きは、チームメンバーにとって最適だったかなって。
もうちょっとうまく立ち回れたんじゃないかなって。
どれだけ後悔したって過去は変わらないんですけどね。

でも、プロをやめたとしても、Overwatchをやめる気は全くなかったです。
ただ、”元”プロゲーマーである以上、その時点で無職なわけで。
いわゆるスーパーニートってやつですね。
そんな不名誉な称号なんてまっぴらだったので、そこで仕事を探そうと思いましたね。
プロをやめたことがぼくに与えた1番いい影響って、仕事を真剣に探す気になれたことなんじゃないかな(笑)
そんな時期にWekidsに出会いました。

 

(続く)

 

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#3 元プロゲーマーに学ぶ、自分の価値を出すためのノウハウ

▼前回

#1 元OverwatchプロゲーマーのRagunaにインタビュー!