『今後、熱意のある人が手を挙げやすくなる』―日韓戦、実況解説Tred・Nirikuの注目ポイントは

優勝賞金50ドル。「日韓のハースストーンコミュニティーを繋げたい」という思いに賛同したプレイヤー達が激闘を繰り広げる。

今回、実況解説の2名に取材した。

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© Wekids.inc

「かなり面白い大会ですね」

 

今大会、日本での実況解説はTred/とれっど(@Tredsred)Niriku(@solarne)の2名が担当する。この2名、ハースストーンを楽しんでいる日本の若者という点では共通しているのかもしれない。

4000人以上のTwitterフォロワーを擁するTredは、自らの名前を冠したハースストーン有料コーチングサービス「とれっど塾」を運営し、熱意あるプレーヤーに対してアドバイスを行っている。

当初はゲーム内でフレンドから寄せられる相談に応えるのみだったが、次第に相談者数が増え、ハースストーン情報発信用のブログを開設した。そして「お金を払ってでも実力を向上させたい」と願うプレーヤーに対しマンツーマンでコーチを行う当塾を始めるに至った。

そもそも彼自身、なかなか物事を人にお願いすることが苦手な性格なのだという。上位ランカーに思う存分コーチングをしてもらう、そのために少しでも料金を支払う形にすることで遠慮という障壁を取り払う。それが彼の狙いだ。

「日本のハースストーンシーンを盛り上げたい」と日々イベント参加や各地でのコーチングをこなす彼の原動力はどこにあるのか。彼は非常にシンプルな答えを返してくれた。

「ハースストーンが、初めてシーンの中心に辿り着けた場所だった」。元々は、格闘ゲームに熱中していた。しかし、なかなか良い結果を出すことができず悩んでいた時期もあった。そんな時、対戦ゲーム好きが興じて始めたハースストーンで、初めて大会上位者となった。シーンの中心にいられることに心から喜びを感じた。そしていつの日か、自らもそのシーンを盛り上げることに尽力したい、何かの力になりたい、そう思うようになっていた。

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TredのTwitterカバー。現在フォロワー4377人。 © Tred

ハースストーン有名実況解説者Niriku。仲の良いゲームメイトと結成したゲーミングチームでは「所長」を務めている。また彼が運営する団体”Meeple Stone”ではハースストーンとボードゲームを楽しむイベントを提供するなど、活動の幅は広い。

ユーザー主催のゲームイベントは数多く行われている。しかしデジタルゲームであるハースストーンとアナログであるボードゲームを同時に楽しもうとする催しは珍しいのではないだろうか。

「ハースストーンもルーツを辿ればボードゲームに行き着く。ハースストーンを楽しめる人はボードゲームを楽しむ素質も持っているはず」

遊び心に溢れたイベントは、「ハースストーンもボードゲームも両方楽しみたい」という純粋で貪欲な彼の思いから生まれていた。

実況解説者としてシーンで認知されるようになった彼がハースストーンに出会ったきっかけは、オープンβを紹介した実況動画だった。当時格闘ゲームに取り組んでいた彼をデジタルカードゲームに向かわせた実況はどんなものだったのだろうか。いずれにせよ、その実況を観ていたNirikuは有名解説者として今大会の実況解説に臨む。

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Meeplestone公式ウェブサイトに掲載されているロゴ。 © Meeplestone

「誰が勝ってもおかしくない」

ここで今大会の注目ポイントを紹介したい。まずはハースストーンの新拡張が行われた直後に今大会が行われるという点だ。新たな環境になった今、上位プレイヤーたちは目立った戦績をまだ残していない。大会上位プレーヤーは丁寧なプレースタイルで、環境が整ってから強さを発揮し、年間の通算で結果を出していく形を取っていることが多い。その点、新環境で状況が整っていない中開催される今大会では、今まで無名だった選手が勝ち上がる可能性も十分あるのだという。

初めての大規模な日韓戦

これまでも予選を勝ち抜いた一握りの日本人選手と韓国人選手が戦うという機会は存在していた。しかし、優勝候補クラス以外の選手同士の日韓戦が見られるのは今大会が初めてだという。世界的なハースストーン強豪国である韓国勢に、どれだけ日本勢が対抗していくのか注目だ。

派手な視覚効果、速攻デッキの出現

Nirikuの見解はこうだ。

「『新拡張により、遅めのデッキが強くなりそう。』これがプレイヤー達の抱いたファーストインプレッションだと思う。そしてそれに対抗するできるデッキ、つまり凄まじい勢いで相手のライフゲージを削るデッキが流行るかもしれない。速めのデッキは反面、瞬殺されてしまう危険性も孕んでいる。」

また、より派手になった視覚効果は観戦者にとって見応えのあるものになっている、とのこと。内容・外見ともに”派手”になっている試合に期待しよう。

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新拡張「仁義なきガジェッツァン」。© battle.net/BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.

注目の日本人選手

Tred、Nirikuが両名とも日本人注目選手として挙げたのはSweepだ。

同選手は今年9月にレジェンド2位、11月にレジェンド1位を達成しており、最近のランクマッチでの活躍が目覚ましい。Tredは「今日本で最もランクマッチが強い選手」と太鼓判を押している。

さらに「海外プレイヤーの情報収集に優れた選手なので、新環境でどのような最新デッキを持ち込んでくるのか楽しみ」とのことで、新環境になって間もなく、かつ国際対戦である今大会ではまさに注目の選手の1人だと言えるだろう。

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SweepのTwitterプロフィール。 ©Sweep

海を超えた数々の思い、開幕

「かなり面白い大会ですね」。そう語ったのはNirikuだった。

「それは、主催者の1人がSilentSlayer君であること。これだけの参加者が集まったのは彼の人望・人柄・熱意のおかげ。彼には『日韓のハースストーンコミュニティーを繋げたい』という熱意がある。彼を慕うプレイヤーは日本にも韓国にもたくさんいる。」

熱意のある選手が大会を主催し、海外の企業がスポンサーをして賞金が出る、その事実が、他の熱意のあるプレーヤーにモチベーションを与えるのだ。そう教えてくれたNirikuの声は、力強く聞こえた。

最後にTredの”声明”を紹介したい。

「今回、実況解説者としてこの大会に参加します。しかし、今年は自分自身もプレーヤーとして結果を出していきたい。応援、よろしくお願いします。」

 

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© Wekids.inc

Wekids Slayer Cupは12/4(日)開催、同日Twitchにて2カ国同時配信される。
大会公式ホームページ

日本配信チャンネル(Twitch)