アジアからヨーロッパまで!2015年後半に参加した海外ゲームショウ4つ振り返り。

Kyuyonです。前職では日本のゲームの海外展開や、海外のゲームの日本展開の事業開発を担当し、現在でも海外案件のコンサルティングを個人的に行っています。2015年は毎月(ピークのときは毎週)違う国に出張しておりました。

さて先日、Newzooより公開された「2015世界モバイルゲーム産業報告」によると、世界モバイルゲーム市場規模は2015年にまた最高新記録を更新しました。

そのうち中国市場の成長率は46.5%に達し、日本とアメリカを超え世界最大のモバイルゲーム市場に。その規模65.3億ドル、世界市場の21.7%を占める結果となりました。
また東南アジア市場の成長速度が驚異的で、前年同期比で69.1%成長しています。

そんな全体として成長しつつ各リージョンにおいて動きのあった今年の後半(7月以降)に参加したゲームショウについて、個人的な感想中心になりますが簡単に振り返っていきたいと思います。

◆7月30日-8月2日:ChinaJoy(中国・上海)
image01ChinaJoy( 中国国際数碼互動娯楽展覧会、China Digital Entertainment Expo & Conference)とは、中国最大規模のゲームショウで、中国のゲームファン、アニメファンが集結するイベントです。今年は13回目の開催。2014年の7月31日から8月3日まで上海市内で開催された「ChinaJoy」には、過去最高の延べ25万224人(前回比21.6%増)の参加があったことが発表されており、会期中の8月1日(金)には7万3855人が訪れ、1日当たりの入場者数としては過去最多を記録しました。

ブースは下記フロアマップの通りBTCエリアとBTBエリアに分かれています。
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今回のChinajoyで感じた点は大きく3点。
1.中国デベロッパーのPCからモバイルへの急激シフト

2.ジャンルはとにかく”MOBA”ブーム!

3.日本のIPを中心とした二次元コンテンツ

1.について
去年のChinaJoyでもモバイルシフトの流れは感じたのですが、今年は中国企業のそれを強く感じました。というのも、去年まではモバイルゲームに関しては中国の大手パブリッシャーがライセンス取得した海外タイトルが目立っていました。今年は中国企業が開発したモバイルゲームタイトルが各社の主力タイトルとなっており、中国外→中国内へのライセンスインが主要な流れだった去年と比べ、中国内→中国外へのライセンスアウトの方が動きとして目立ってきたという印象です。

2.について
かつて中国のPCゲームといえばMMORPGが強かったように思いますが、今年は一転MOBA一色!もちろん一番人気は「League of Legend」。
MOBAの大会もあちこちのブースで開催されており、e-sportsの世界大会であるWCAはもちろん、盛大(Shanda)、Tencent等のブースでも大会が開催され、注目を集めていました。

3.について
今後、というかここ1年くらいは日本のIPを使った中国ゲームや日本のアニメ風のイラスト、コンテンツの市場が中国にも出来上がって行くんじゃないかと思います。
5月に大連で開催された「2015ChinaJoy Cosplay」でも、中国のアニメ好きの本物志向が高まっていることが伺えました。日本のコンテンツホルダーの勝機はここかもと思っています。最近では中国企業による二次元コンテンツ開発や、日本との共同制作も積極的に行われているようなので1年後以降においては、中国企業がコンテンツホルダーとなり、二次元コンテンツが生み出されていきそうです。

(個人ブログの簡易レポはこちら▶︎Chinajoy@上海に行ってきた

 

◆8月5日-8月9日::gamescom(ドイツ・ケルン)
image06 「gamescom」は毎年ドイツ・ケルンのケルンメッセで開催されるヨーロッパ最大規模のゲームショーで、イベントを主催するドイツの業界団体BIUの発表によると、今年の来場者総数は34万5000人で,昨年(2014年)を1万上回る過去最大の人数を記録したとのこと。展示を行った企業も昨年の703社に対し、約100社+の806社だったそうで、その規模の大きさと盛り上がりがわかります。

フロアマップは下記の通り。紫のエリアがBusiness Area(いわゆるBTB)、その他が一般客向けのエリアとなっています。
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今年初参加だったのでビジネスエリアの簡単な感想のみ下記します。

1. 3番ホールにはヨーロッパやアジア、北米、南米、中東等、各国のパビリオンブースが並んでいました。その中でも特に大きかったのは韓国と中国のパビリオン。

2. アジア圏のパビリオンではモバイルゲームが中心だったのに対し、欧米圏はPCやVR向けのコンテンツがメインだったように思います。

<おまけ>
イランブースでイランのゲーム市場についての資料を配っていたので全部頂いて来ました。イランのインターネットユーザー数は46,800,000で、中東全体のインターネットユーザーは113,600,000。イランにおけるゲームユーザー数は18,000,000で、ほとんどはPCゲームを遊んでいるもののスマートフォンの割合も増加傾向とのこと。

<おまけ2>
ChinaJoyは人が多くてやばい!と言っている全ての人たちへこの画像を捧げます。やはりどのゲームショウも休日のBtoCエリアは大混雑!
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(個人ブログの簡易レポはこちら▶︎gamescom2015@ケルンに行ってきた

◆10月16日-10月18日:THAILAND GAME SHOW BIG FESTIVAL(タイ・バンコク)
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THAILAND GAME SHOWは毎年バンコクで開催される、東南アジア最大規模のゲームイベント。東京ゲームショウ(動員数26万+)やgamsecom(動員数34万+)と比べると規模は小さいですが、東南アジアの中ではかなり大規模で今年の動員は12万だそうです。ビジネスデイやBtoBエリアを用意する他のゲームショウとは異なり、基本的に一般客向けのゲームショウです。

感想は大きく3点。

1. モバイルゲームの数は去年より明らかに増えていました。

2. とは言っても圧倒的に存在感あるのはやはりPCオンラインゲーム。

3. タイでのHoN人気や東南アジアのLoL人気から、ジャンルでは圧倒的にMOBAなのかと思っていましたが、意外にもFPSの出展が多かったです。

1.に関して補足すると、去年はモバイルゲームといえばLINEゲームやTRUEのGOODGAMESブースくらいしか見られませんでした。しかし今年は東南アジアでLeague of Legendを配信する大手Garenaも自社ブース内にモバイルゲームコーナーを設けていたり、PCオンライン大手Asiasoftの運営するゲームポータル「PLAY@PARK」、Gamevil&Com2us、NHN entertainment、FUNPLUSの「Dot Arena」等モバイルゲーム中心のブースがかなり多く見られました。

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(個人ブログの簡易レポはこちら▶︎THAILAND GAME SHOW BIG FESTIVAL 2015に行ってきた

 

◆11月12日-11月14日:G-STAR(韓国・釜山)

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G-STARは毎年、韓国・釜山にて開催される韓国最大のゲームショウ。G-Star事務局によると、今年の出展ブース数は昨年より2.7%+の2636ブース、国内外35か国633社が参加するなど過去最大規模だったそうです。そのうち,B2Bエリアには1186ブースが出展しました。

今年気になったのは下記6点。

1. 公式スポンサーとなった4:33の注目度の高さ。

2. BtoCブース全体の1/3くらいの規模感で出展をしていたNEXONの勢い。

3. HUNGRYAPPブースの盛り上がり。

4. Twitchのグローバルメディアパートナーとしての参加。

5. NetmarbleがBtoB、BtoCどちらにも出展をしていかなったこと。

6. 全体として中国の参加者が多かったこと(出展も来場者も!)

1.について
メインスポンサーとなった4:33。BLADEやHEROのパブリッシャーで、韓国のモバイルゲーム業界ではトップクラスの実績を誇る会社です。今回BtoCブースへの出展やメインスポンサーということで各所から注目を受けていました。独特な世界観のおしゃれなブース。

2.について
今回一番ブースも大きく、盛り上がっていたのはNEXONでした。
面白いなと思ったのは、タブレットがずらーっと並んでいて、モバイル・タブレットゲームの体験ができるエリアが大きく構えられていたこと。ヘッドセットも置いてあり、これまでのモバイルゲームの簡易な展示から進化していました
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3.について
韓国のモバイルゲーム攻略コミュニティといえばHUNGRYAPPです。ブースではコンパニオンを起用した派手なショーケースや、モバイルゲームのe-Sports大会も行われていました。

4.について
今回グローバルメディアパートナーとして参加したTwitch。韓国でゲーム実況やストリーミング配信といえばAfreecaTVのイメージでしたが、グローバル化の流れを感じました。

5.について
韓国のトップパブリッシャーといえばダントツNetmarbleですが、今回BtoB・BtoCどちらにも出展をしていなかったことが気になりました。韓国国内では相当売り上げているはずなので、韓国内のゲームショウには出展の必要がないということなのでしょうか。

6.について
今回G-STARで特に感じたのが中国の存在感ですが、単純に時期的なことだと思います。中国の開発社、パブリッシャーの海外展開はどんどん進んでいます。今年の頭よりも断然後半の方がそれを強く感じるようになりました。中国企業の韓国ゲーム市場への積極進出ということだけではなく、今後の海外のゲームショウやカンファレンスに行けば中国企業の存在感をより強く感じることになると思っています。

(個人ブログの簡易レポはこちら▶︎G-STAR2015@釜山に行ってきた

G-STARに関しては、過去3年分のレポートも個人のブログにアップしていますのでご参考まで!

G-STAR2012@釜山に行って来た
http://begoinglobal.blogspot.com/2012/11/g-star2012.html

G-STAR2013@釜山に行って来た
http://begoinglobal.blogspot.com/2013/11/g-star2013.html
G-STAR2014@釜山に行って来た
http://begoinglobal.blogspot.com/2014/11/g-star2014.html

全体としては、
①東南アジアの市場成長と各リージョンからの注目度向上
②中国企業の開発力の急激な向上と積極的な海外進出

が目立った1年だったなと思います。

2016年も海外飛び回るつもりですのでゲームショウやカンファレンス、イベント情報はどんどん発信していきたいと思います!

Text : Kyuyon